061 読書について
Those who have read of everything are
thought to understand everything too, but it is not always so.
(出典 ジョン・ロック『知性の正しい導き方』)
(英語の解説)
Those who〜「〜する人々」、not always「必ずしも〜とは限らない」、furnish「与える、供給する」、material「材料、素材」、ruminate「思いめぐらす、反芻する」、cram「詰め込む」、nourishment「栄養」、reasoning「論理」、pursued
「追求された」、be of use「役に立つ」、coherence「(首尾)一貫性」、as far as「〜に関する限り」、apprehend = understand、connextion「関連性」、but = only、
loose「ゆるんだ」、matter「物」
(英語の内容)
あらゆることについて本を読んだ人間は、あらゆることを理解しているとも考えられがちだが、必ずしもそうではない。読書は人間の精神に知識の素材を提供するが、読んだ事柄を私たち自身のものにするのは、考えることがあってこそである。私たちは操り返し思考する動物であり、多くの知識を詰め込んだだけは十分ではない。その知識を何度も咀咽しなければ、私たちに力や栄養を与えてはくれないのだ。確かに著述家の中には、深遠な思考や周到で正確な論理、十分に追求された観念が、目に見える形で示されている場合もある。もし読者がそれに気づき、それを見習うなら、それらのものが発する光は大いに有益だが、それ以外のものはみなせいぜい、知識に転換されるのに適した個々の素材にすぎない。しかもその転換は、私たち自身の省察によって、また、そこで言われていることの適用範囲やカ強さや一貫性を検討することによってのみ行われ得るのである。そして、私たちが理解し、観念の関連性に気づいたところまでが、私たち自身のものとなる。それをしなければ、ただばらばらの素材が私たちの頭の中に浮かんでいるにすぎない。(井上一馬訳)
(もっと読みたい人の為に)
ロック/下川潔訳『知性の正しい導き方』御茶の水書房、1993年3月
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