016「文化」
Politeness will be a great acquisition, if it does no more than impart grace to manners;
but its function does not stop here. .(省略)…Its requirement is that we should weep
with those that weep and rejoice with those that rejoice. (Bushido)
礼儀は、たとい、その人の動作に優美さを与えるにすぎないものだとしても、その修得は大いに
意義のあるものであるが、その機能はそれだけにとどまらない。(省略)礼が要求することは、、
悲しむ者と共に悲しみ、喜ぶ者と共に喜ぶことである。(須知徳平訳)
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〔出典〕 新渡戸稲造の『武士道』(1899)よりの一節。取り上げた英文は「第6章 礼儀」からのもの。英文
で出版された。
〔英語の解説〕 politeness「礼儀、ていねいさ」。acquisition「修得、獲得」。 no more than「〜にすぎな
い」。Its requirement is that … はthat以下が補語となり、「その修得(礼の要求するものこと)は、that以
下ということです」いう内容になります。those thatはthose whoともなり、thoseは「人々」の意味となりま
す。
〔内容の鑑賞〕 新渡戸稲造の『武士道』(1899)は岡倉天心の『茶の本』(1906)と共に明治時代に日本人
が英文で発表した日本文化論。この礼儀は日本文化を支える重要な要素となっています。そしてその神
髄は、礼儀を果たす者もそれを受ける者もお互いの感情を共有することにありそうです。今の世の中は
「自分だけは…」ということを考えがちですが、人は一人では生きていけない以上、こうした「礼儀」が必要
でしょう。『武士道』は渡辺謙が出演した映画『ラスト・サムライ』でもその精神が表現されていますが、日
本人のアイデンティティを求めて、『茶の本』ともに読んでみたらいかがでしょうか。
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