015「価値観」
This thing … man … whatever it is … evil may have created it, left its mark on it, but
evil does not rule it. (Van Helsing )
これ…この男…まあ、彼がなにものであれ、彼を生み出した者が邪悪な心の持ち主だったことは
想像に難くないが、彼自身が悪に染まっているわけではない。(村雨麻規訳)
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〔出典〕 ケヴィン・ライアンの『ヴァン・ヘルシング』(スティーヴン・ソマーズ監督、2004年公開)のヴァン・ヘ
ルシングの台詞。『ヴァン・ヘルシング』は日本では2004年9月に公開された。
〔英語の解説〕 itは(怪物)フランケンシュタインのこと。最初にThis thing、それからmanと表現を変え、it
で言い換えています。このあたりがフランケンシュタインの扱いの難しいところ。翻訳(竹書房文庫、2004
年8月)でも同様で、翻訳ではitを「彼」としている。全体のストーリーからいって、フランケンシュタインもヴ
ァン・ヘルシングとともに戦う仲間であったことから、人間とみなして「彼」と訳したのかもしれません。
(may have) left its mark on itとカッコが省略となっています。leave one's mark on〜「〜に強い影響を与
える」。rule「支配する」→「染まる」(翻訳)
〔内容の鑑賞〕 ここで扱われている「善悪」の問題は、その対象がフランケンシュタインというこでさらに
複雑になっています。しかし、「外見と実体」についていうならば、外見が悪そうだから実体も悪とは限ら
ないのです。外見だけでは判断できないということでしょう。フランケンシュタインは人造人間ということか
ら、宗教的にも、科学的にも「悪」のレッテルを貼られています。現代では、遺伝子操作やクローンの問
題など、フランケンシュタインの問題を単なる空想の存在として、片付けられなくなってきました。実際映
画の中でも、フランケンシュタインが人類のためにドラキュラ一味と戦うのです。もちろん、フランシュタイ
ン自身も「生きたい」という強い気持ちから、ドラキュラ一味と戦うのです。何が「善悪」を決めるのかは、
誰が「善悪」を決めるかによって、代わってくるとういことでしょうか。
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