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しゃあがれごえのユーカ
「コータ、でていけ!」
大きくてふといしゃがれ声がきこえてきました。
6歳になるユーカが兄のコータとけんかしているのです。
2階で仕事をしていた私はそれを聞いてちょぴり赤くなりました。「このあいだのオレの口調にそっくりだ」
おとといの妻との口論を思い出してしまったのです。
でもいつもこうではありません。人前では小さな小さな声しかだせません。
また、静かな声で夢のお話をしてくれることもありました。
「夢の中ではね、いろんなところに行けるんだよ」と言って、コータ、それに添い寝をしている私と手をつなぎます。
「いこう、いこう、どこ行こう」
握った手をゆらしながら、歌います。みんなでふとんにもぐればもう夢の世界です。
ディズニーランドや深い海の中、コワーイお化け屋敷などいろんなことろに行って遊びました。床につくたびに「いこう、
いこうしよう」とせがむほど、コータもユーカもこのごっご遊びに夢中でした。
二人ともゲラゲラ笑いながら、いつのまにかすとんと眠りに落ちてしまうのです。突然訪れた静けさのなかで、おいてい
かれた寂しさをちょうっぴり感じながら、彼らの頭をなでるのでした。
みていると、どんなに仲良く遊んでいても、二人の友好関係は30分ほどしか続かないようです。だんだん小競り合いが
始まり、1時間もたつとついに爆発。
「コータ、うるさいっ!」
またしゃがれ声がひびきます。
それを聞くと私は、「子供のまえでは言葉に気をつけなければナ」などと、つかの間の反省をするのです。
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